PTAって必要なの?
こんにちは!今回の記事担当はGAROO代表の荒木です。
昨今、PTAの存在意義について賛否両論、様々な議論が交わされています。かくいう私も2人子供がおりますが長男の時に小学校のPTA活動で嫌な想いをして以来、次男においては何とか6年間逃げきれないか?もしくは、お金を多めに払ってもいいから活動しないで済む方法は無いのか?と考えていたほどPTA活動反対派でした。
そんな私が、昨年、ひょんなことから小学校のPTA副会長を担うこととなったのです。
ひょんなこと – 誰も担い手がいなかったPTA役員を抽選で決める運びとなり、たまたま会長に選ばれたのが20年来の友人、、、そして会長は副会長を任命できるという制度により、不本意ながら副会長となりました。
なぜPTAは嫌われるのか?
PTAはなぜ嫌がられるのでしょうか。賛否両論ある意見の中の、「否」にあたる意見の多くは「無駄が多い」「分からないことが多い」「共働きの多い時代に合っていない」「負担の偏りが大きい」、そんな声をよく聞きます。
わざわざ有給を取得して空き缶を潰したり、数千円にもならないベルマークの切り貼りをしたり集計したり。前年までの流れも知らず、何のための業務か分からないまま集合して言われるままに作業をすることになったり。集まりや参加を促されるセミナー等の多くは平日の日中で、仕事のある人にとっては調整が大変であったり、また経験者と未経験者で感じる心的負担の格差も大きいものです。
人は不満や不安を感じる時、それが怒りに変わることがあります。これらの不満や不安から、多くの人ができることならPTA活動に参加したくないと考えるようになるのも当然のことかもしれません。
そもそもPTAって必要なの?
それでも多くの学校がPTAを設置するのはなぜでしょうか。
PTAはParent Teacher Associationの略称であり、「父母と先生の会」という意味です。その意義は知っているようで忘れがちですが、本来は「子供たちのため」に存在しているわけです。子供達が安心・安全に過ごせるように、子供たちの活動が豊かなものになるように、先生たちだけでは担えない部分を保護者で分担しようというのが本来のPTAの意義です。
保護者といっても数人の場合もあれば数百人にのぼる学校もあります。大人数をとりまとめるにはリーダーとなる存在が必要です。いくらPTA活動を外部に委託しようと、選択や決定、変更事項を取り決めたり采配したり、そういった行動にもやはり意見をとりまとめるリーダーが必要になります。それが本来のPTAの役割です。
PTAをなくすという選択は、全てを学校に任せることになります。例えば、学校教育という分野に対して各地域に文科省から潤沢な予算を与えることができるなら、教員を増やし、それも可能となるかもしれません。しかし現状を考えると、保護者が担える部分を学校と分担して行うことが、我が子や、我が子を取り巻く地域の環境、子供たちの安全や安心、健全な教育の一役になるのだとすると、PTAは今も必要な組織なのではないでしょうか。
PTAの改革
PTAが必要ならば、嫌われるPTAであってはなりません。その必要性を理解し、問題点となっている不満や不安をできるだけ解消し「それなら少し分担しようかな」「できることはやろうかな」そう思ってもらえるPTAへと改革していくことが重要です。
下記、実際に弊PTAで取り入れた改革の一例をご紹介いたします。
オンラインツールの活用
- 保護者への連絡や確認、リマインドを学校や子を介して書面で行うのではなくオンラインツールを活用する。LineworksやBandなど非営利団体向けに無料で使用できるツールがあり、メールアドレスや携帯番号等の個人情報を取り扱う心配もない。
外部委託の積極的な活用
- 業務内容が保護者である必要のないものは積極的に外部に委託を検討してみる。例えば、防犯パトロールや通学路上の旗振りなど。
本当に必要な業務の洗い出し
- お知らせや広報誌など、これまでのフォーマット通り作成している組織も多いですが、今本当に必要な内容や求められている情報を今一度検討しなおす。
- セミナーや説明会、集まり等の参加の意義を考え直す。地域等との関係構築がメインであれば出席するべきものもありますし、情報収集だけなら資料の受け取りだけでもOKな場合もあります。また、必ずしもオフラインの出席が必要であることは少なく、オンライン開催の検討や提案をしてみてうまくいくこともあります。
- 配布物は世帯数の紙配布である必要があるのか、オンラインのプラットフォームを活用した方が利便性が高いのか?など、オンラインの活用をすることで資料配布やアンケート等の回収や集計、保護者同士や係への連絡など、格段に便利になることもあるので取り入れてみるのも良いのでは。
変えるために動く行動力
改革をしたい、変えたほうが良い、と考える人たちは多いものの、変えるに当たって最も重要なのは変えるための最初の1歩だと思います。これまでに同じように取り組んできた先駆事例やPTAが使えるサービスなど情報はネットでもたくさん収集することができます。そして、最後は取り組む姿勢の話になりますが、大切なことはPTAという組織が縦組織ではなく横並びであることです。役員も委員も会員も全員が、その年度にそれぞれのタイミングでできることを協力しあう組織であるということを忘れないこと。役員という役割もボランティアであり、負担が多ければ不満も溜まってしまうし、会員メンバーも同じです。互いが尊重し合い、協力し合い、感謝し合う – そのバランスを保つことができれば、多少の困難はあっても今よりずっと画期的で意義のあるPTAと変革を遂げることができるのではないでしょうか。
やるからには自分みたいな人にも敬遠されないPTAにしたい
そんな想いから昨年度の役員メンバーと共に改革にチャレンジして参りました。その改革は、2年目の現在まだ道半ばではあるものの、自校や近隣からも多くの評価を頂き、今年はテレビニュースや新聞社から取材をして頂けるほどに進化しました。きっとこの記事に辿り着いた方の中には今現在PTAの問題に直面している方々もいらっしゃることと思いますが、少しでも希望や参考になればと思います。もし何か質問などがありましたら「問い合わせ」からいつでも受け付けております!