地域循環共生圏という言葉を知っていますか?
地域循環共生圏とは、ヒト・モノ・カネを地域内で循環させて、それぞれの地域同士で融通して、社会を持続可能なかたちで、うまく回していこうという考え方です。
地域の環境保全とのバランスをとりながら、地域の資源を持続可能な形で賢く活用するビジネスのことを地域循環共生圏(ローカルSDGs)ビジネスと呼んでいます。
このコンセプトは、2018年4月に閣議決定した第五次環境基本計画のなかで、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の考え方を取り入れたものとして提唱されました。
それぞれの都市には、人材やお金、その場所ならでは景観という様々な「資源」
それぞれの地域にはそこから得ることの出来る自然のめぐみや農村漁村、伝統文化という「資源」があります。
都市には人やお金が多く集まりやすい傾向にありますが、地方には食料、水、文化といったエネルギーが存在します。都市と地方が混ざり合い、人やお金、資源、エネルギーなどが循環することで、お互いに必要としているものを補い合い、支え合うことができます。地方で作ったエネルギーを都市で使い、都市の住民が地方での自然保全活動に参加するなど、様々な形で都市と地方が支え合っていくことがこの先重要になっていくと思われます。
そして各地域は、地域ごとの特性を活かしながら、環境・経済の統合的向上に向けた行動の具体化を進 めていくことが求められています。
各地域が特性を活かした強みを発揮し、それぞれの地域の特性に応じて近隣地域等と共有共生し、より広域的な「自然」という資源や、経済的つながり「人、資金」をパートナーシップとしてより構築し ていくことで地域資源を補完し互いに支え合うことができます。
実際に地域循環共生圏で取り組みを兵庫県豊岡市の例を見てみます。
豊岡市は、自然に恵まれた地域で、農林水産業、観光業などが盛んです。 かつては、絶滅危惧種とされている野生のコウノトリが訪れることで有名地域でしたが、生息環境が悪化したことで、1971年以来豊岡の地にコウノトリの姿が消えてしまいました。 絶滅を前に人工飼育を行っていた豊岡では、コ ウノトリを野生復帰させ、コウノトリと人が共存できる地を目指そうと取り組みが始まりました。
まず初めにコウノトリの餌となる生きものを育む環境配慮型の稲作に取り組みました、この農法で栽培されたお米はブランド化され、一般的な農法に比べ1.3倍から1.5倍の価格で販売されて農家の所得増につながっています。また、このお米は地元の小中学校の給食で提供され地産地消にも繋がっています。
さらに、 豊岡市はコウノトリ野生復帰の取組をエコツーリズムや地元の子どもたちの環境教育に活かされています。
コウノトリを農業と観光業において地域資源として活用することで、環境の保全と経済の活性化の好循環が生まれます。また、地域の様々なステークホルダーの協働による取組は、地域づくりや、豊かな文化を形成につながっています。
この様な行いを例に見ると分かる様に
豊かな自然の形成や経済基盤が上がるなど、地域循環共生圏の取り組みが
実際の地域の活性化につながり好循環を与えていることがわかります。
自分たちの地域を守っていくためにもこういう取り組みの幅を広げていく必要性を考えさせられました。