一昔前は、紙の教科書を開き、先の尖った鉛筆とノートを広げ、黒板にチョークで文字を書く先生の話を聞いていたものです。
時代が経つにつれてインターネットが世の中に浸透し、生活に欠かせなくなっていることからも、今の子供達にとって教育もデジタル化していることが当たり前であり、I C T教育が主流になってきています。
ICT教育の「ICT」は、Information and Communication Technology の頭文字をとった言葉で、日本語の意味は「情報通信技術」つまり、パソコンやタブレット端末、インターネットなどの情報通信技術を活用した教育手法のことを言います。
今の子供達は動画や絵をやタブレット上に見ながら新しい形で勉強をしていると思うと多くの新鮮さとメリットを感じました。
ではどの様なメリットがあるのでしょうか。
例えば、英語を学ぶ時を考えると海外の学校の生徒や教員の顔を見ながら英語でやり取りを行うことができ実践的な英語の教育になります。教科書に羅列されてある英文法を見て学ぶよりも直接コミュニケーションを得る機会を沢山持つ事使える英語としてきっと役立つでしょう。
下の表は現在小中高で英語学習にデジタル機器を活用しているかの推移です。多くの学校が年々I C T教育を始めていることがわかります。
出典:英語教育実施状況調査(文部科学省)
他には生徒の理解力の強化にも良い影響を与えると考えます。
タブレットの中で先生の説明を聞きながらその内容が画像によって表示されていたり、時には動いたり、音を聞けたり、この様に視聴覚で学ぶツールにも繋がり、生徒の興味や関心を高めることにも繋がりそうです。
また学校でI C Tを使う事は教員の時間短縮や効率化にも繋がります。
成績や出席の管理が簡単にできるようになり、授業で使う教材の資料などの収集や教師の間で指導計画などの共有もスムーズに行えそうです。
そして学校に理由があって来られない生徒にとってI C T学習は遠隔での操作が可能なため、復帰の支援にも繋がり新しい学習の形として提供できますよね。
I C Tの普及や活用の実態は各地方自治体によって力の入れ具合が異なっていますが、
2020年時点で一番普及のある都道府県は佐賀県で、積極的に学校教育の場でICTを活用する取り組みが行われています。
ここで実際に行われているI C T教育の活用事例を紹介します。
佐賀県では生徒一人ひとりにタブレットが支給されていることが多く、そのタブレットを使ってホームルームなどで出席の確認を始め、進路希望のアンケート、日々の連絡事項の共有などが行われています。
また佐賀県ではSEL-Netという学習ツールを利用しています。
このツールは小テストなどに役立っていて今まで問題作成、印刷、採点、答案返却、成績入力と多大な時間とコストがかかっていたことをI C Tを利用することで作業の短縮や採点ミスの軽減につながり、生徒他にも自分が間違えた問題をいつでも確認することができ弱点の把握から成績のU Pにも繋がっているそうです。
このように沢山の教育へのメリットを感じるI C T教育ですが、完全に普及するにはまだ時間がかかりそうです。
しかし活用事例が増え、多くの自治体が取り入れることにより、子供達の教育の幅や学びたいと自発的に思える環境の提供につながるのではないかと考えます。
そして何より大切なのは、ICT教育を導入することよりも、“どのように使うか?”という視点です。ICT教育化を成功させていくためには、I C T教育を扱う教員に対する研修の充実を含めたトータルの環境整備が課題ではありますが、その課題を乗り越えたら多くの子供たちの為に生かせる教育となっていくでしょう。