
地域おこし協力隊の現状と課題~移住を考える人に知ってほしいこと〜
⚫︎地域おこし協力隊とは
地域おこし協力隊とは、都市部から地方へ移住し、地域の活性化に協力する制度を活用した人たちのことです。
農業や観光などの分野で地域の人と一緒に働き、地域の魅力を発信、課題を解決します。
地方自治体やNPOなどが募集し、移住支援や住宅提供などの制度を利用して活動し、任期は概ね1年から3年となります。
過疎化や高齢化などの地方の問題に取り組むとともに、自分のキャリアやライフスタイルを変えるチャンスでもあります。
地域おこし協力隊の数は、2022年度で約6,500人に達し、総務省は
「3年後に1万人に増やす」
という目標を掲げています。
この目標を達成するためには、どのような取り組みが必要なのでしょうか?
地域おこし協力隊の中には、任期終了後にその地域に定住する人も多く、全国平均の定住率は約6割に上ります。
北海道は協力隊の最も多い地域で、約7割の協力隊がその地域に残っています。
令和4年度における地域おこし協力隊の活動状況等より(引用:総務省)
⚫︎地域おこし協力隊の課題
しかし、地域おこし協力隊には課題もあります。
その一つが、受け入れ地域と協力隊員とのすれ違いです。
協力隊になると、地域の人から期待されることや求められることが多くなりますが、それに応えることが難しいこともあります。地域によっては、協力隊のミッションが明確ではなく、何をしたら良いのか分からない、という状況に陥ってしまうこともあります。
また、協力隊員が作業員のように扱われてしまうこともあります。
そのため、
『地域にとって本当に必要なことは何なのか』
『自分にとってやりがいのあることなのか』
という疑問を持つこともあります。
このような課題を解決するためには、協力隊員のためのサポート体制が必要だと考えています。
自分が何をしたいのか、何を得たいのか、何を残したいのかを共に考え、それに向かって共に進んでいける仲間やサポートが重要です。
自治体やNPO法人、民間企業などが主催している協力隊のサポート体制を活用すると共に、協力隊員自身も自ら人脈作りに尽力し、地域の人とのコミュニケーションを深めることが大切です。
また、協力隊インターンなどの新しい制度を利用して、協力隊になる前に地域の様子を見てみることもおすすめです。
⚫︎地域おこし協力隊の今後
地域おこし協力隊は、地方をより良くするための施策を開発できる人材の育成にもつながります。
協力隊が増えたときに、単純な作業員だけでなく、地域の魅力や課題を発信できる人が増え、さまざまな課題を解決していけたら良いと思います。