クラフトビールで地域活性化 ~佐賀県伊万里市でフルーツを使ったクラフトビールを大学と開発!〜
佐賀県伊万里市にて活動するハンバーグ女子こと馬庭です!
最近、どの地域でもお土産としてよく目にするクラフトビール。実は、クラフトビールが日本で流通し始めたきっかけの一つに地方創生が関わっているんです。
日本では各地の米と水を使った日本酒を作る文化があるように、ドイツでもその地域で獲れた作物を用いてオリジナルのビールを作るという同様の文化があります。このドイツのビール文化から影響を受け、日本の各地域でも日本酒だけではなく、大衆のお酒として普及した地酒ならぬ地ビールも各地で作ってみようという動きが活発になりました。クラフトビールは、その土地の特色を活かしたビールであることが求められます。そのため、その土地の麦や特産品となっている別の食材をフレーバーとして使うので、その地域ならではのビールが生まれます。
クラフトビールの今日までの流れ
今のクラフトビール製造・流通されるようになったのは、約20年前の1994年に酒税法が変わり製造の最低ロットが大幅に下げられたことがきっかけとなりました。その後、各地でクラフトビール(地ビール)が作られ一大ブームとなりましたが、クラフトビールで製造されるビールと大手企業が製造しているビールとのギャップによって、数年経つとブームが過ぎ去っていきました。
しかしながら、現在は特に若い世代を中心にビール文化ではなくなり、より多種多様なアルコール飲料が飲まれる時代となりました。また、今日のクラフトビール製造の技術も向上し、各地で美味しいビールが販売されるようになり、新たなクラフトビールブームが始まっています。
大学とクラフトビールの共同開発!
このブームを活用し、佐賀県伊万里市でもクラフトビールの製造・販売を見据えた新たなプロジェクトを大学とともに進めています。
クラフトビールの重要な要素である「地域の素材をどう活用していくか」ですが、実は焼き物のまちとして有名な伊万里は、温暖な気候にも恵まれ、年間を通して様々なフルーツが実ります。そこで、このプロジェクトが動き出した初夏に収穫された伊万里市の特産の立派な梅を使って、梅クラフトビールの商品開発がスタートしました。
商品開発にあたっては、実際に学生が梅園に視察に行き、梅についての勉強をしながら、コンセプトを考えるなど、商品開発に取り組みました。関わった大学生にとっては、初めて見る梅園や、奥の深いビールの種類、開発するビールのブランディング、様々な発見のある商品開発となりました。また、高齢化の進む農業界において、梅園の農家も普段関わることのない大学生の頑張りに関心をしていました。
クラフトビールで地域活性化を行う際、最も分かりやすい効果としては、ビールの消費による経済効果だと思いますが、そのビールのブランディングや新規性による地域の宣伝効果も大きく影響します。しかし、このクラフトビールの開発にあたって、これまで関わり合いの無かった人との繋がりや、新しいアイディアが地域へ流入することが、地域が1番実感できる活性化の1つではないかと感じられました。
今回はトライアルの開発を行い、今後は試験販売を重ね、事業としてのクラフトビールの製造まで行っていきます。地元民からも長く愛されるクラフトビールを作っていくことが地域活性化への鍵となるでしょう。