選挙の話その1
先般、衆議院選挙が行われましたが、非常に残念なのは、所得倍増に関して論戦が深まらなかったことです。各党のトーンから推察すると、所得倍増なんて実現不可能だと考えているフシがあるようですが、果たして実現性はあるのでしょうか?どの様な政策を打ち出せば所得倍増が実現できるのかを考えてみます。
結論から述べると、5%成長を15年続ければ経済規模はおよそ2倍になるので、所得を倍増させる経済環境としては十分です。
インフレ率2% 、実質成長率3%の合計、名目成長率5%を政策目標におけば、机上では成立する話になります。
名目成長率に有効な政策ツールは、マネーの供給量や金利になり、実質成長率に有効な政策ツールは、有効需要の創造になります。名目成長率は日銀が、実質成長率は財務省が司令塔になりますが、未来を作る為に、彼らにどの様な仕事をしてもらうかのメッセージが各党、全くよく分からなかったのが正直な所でしょうか。成長率が高まれば、税収が伸び、財政不安は一掃されます。成長しないことを前提に財源論を議論するのは、国民をミスリードする誤ったテーマ設定に感じます。また、そもそも現状の財政は、大急ぎで健全化しなければならない水準でしょうか?国際マーケットにおける日本国債の格付けを説明しないで、日本の財政は火だるまだ、タイタニック号だと騒ぎ立てるのは、居酒屋談義でしかありません。